事業の現状と相談のきっかけ
すべての作業が属人化していることが課題であり、営業対応、検査業務、事務作業などがそれぞれの担当者に集中していることが問題視された。また、営業の受注状況の共有や製造指図書の作成、検査結果の記録、タイムカード打刻後の時間計算、受領図面への書き込みが手書きで行われているため、資料の紛失や時間のかかる作業が発生していた。
ヒアリングによる課題の整理
<会社概要>
株式会社K社は、生活雑貨や文具などのプラスチック加工品の製造販売を行っている。特にヒートシール加工(熱を使った貼り付け)によるビニール袋の製造を大手事務用品メーカーから受託している。従業員数は25名、売上高は約3億円。
属人化の解消
- 営業対応、検査業務、事務作業が特定の担当者に依存している。
事務作業の効率化
- 勤怠管理がタイムカードと出勤簿による手書きで行われているため、集計が月末に集中し担当者の残業が発生している。
- 図面管理がファイルへの保存で行われているため、探し出すのに時間がかかることが多い
検査業務の効率化
- 検査結果の記録や分析が手書きで行われており、出荷量が多くなると担当者の残業時間が増加する。
営業対応のスピードアップ
- 見積もりから受注、作業指示の作成までのプロセスが遅延している。
現状分析と課題
事務作業の効率化
- 紙の出勤簿に手書きで記入されている勤怠管理のデジタル化。
- 図面管理のデジタル化およびその習慣化。。
検査業務の効率化
- アナログの測定器で行われている引張強度の測定の時間短縮。
- 測定結果の現物保管の廃止。
営業対応のスピードアップ
- 見積もりや作業指示をデジタル化してスピードアップを図る。
取り組み内容
勤怠管理のデジタル化
- 勤怠管理クラウドの、ICカード、ICカード読み取り機の導入。
これまでのタイムカードと運用が変わらないように、タイムカードの代わりにICカードと読み取り機を導入した。
これまで習慣的に運用してきた複雑な残業体系や手当を見直し、賃金が下がらないように配慮しながら、一般的な勤怠管理の仕組みや運用に合わせてクラウドサービスを使った。
図面管理のデジタル化
- 導入している複合機に合わせた文書管理システムの導入と図面確認用タブレットの導入。
営業担当者が外出先で簡単に図面を確認できるようにタブレットを導入した。
検査業務のデジタル化
- デジタル荷重測定器の導入と測定データのパソコン管理。
Bluetoothでデータを送信できる測定器を導入した。これにより、データの転記作業がなくなり記入ミスが削減できた。
検査作業は、検査測定ボタンを押すだけで検査が終了するため、検査スピードが向上した。
成果
時間短縮
- 勤怠管理のデジタル化により、1日あたり30分の時間削減。
- 測定結果の記録の手作業がなくなり、1日あたり30分から1時間の時間短縮。
効率化とペーパーレス化
- 図面管理や勤怠管理がデジタル化され、ペーパーレスが実現。
属人化の解消
- 勤怠クラウドを導入するタイミングで、複雑な給与体系を見直すことで、勤怠から給与計算の業務が標準化でき、業務の属人化が解消された。
検査業務は、測定ボタンを押すだけで検査が終了するため、検査業務が簡略化され、属人化が解消された。
お客様の声
作業効率の向上
- 「勤怠管理が簡単になり、出退勤の管理が効率化された。」
- 「検査結果の記録が自動化され、分析にかかる時間が大幅に減少した。」
信頼性の向上
- 「デジタル化によりトレーサビリティが強化され、顧客からの信頼性が向上した。」
将来への期待
- 「さらに他の業務にもデジタル化を広げていくことで、全体的な業務効率の向上が期待できる。」
これらの取り組みと成果により、株式会社K社は業務の効率化と信頼性向上を実現しました。